筋トレからの有酸素運動は嘘だった?

「筋トレの前に走るのは効率の悪い事」という記事を読まれた方も多いのでは無いでしょうか。今回はコレを疑い検証していきましょう
その前に有酸素運動と筋トレの様な無酸素運動の違いですが、前者が筋肉のミトコンドリアの数を増やし好気代謝酵素を活性化させるのに対して、後者はミトコンドリアの数の少ない肥大した速筋線維を増やすのに特化した運動と異なる役割を持っています。
さて本題の有酸素運動と筋トレのどちらかを先にすべきか?
について、M. Chtaraらの2005年のBritish Journal of Sports Medicineに掲載された論文をみていきましょう。
論文では48名の学生を最大酸素摂取量が等しくなるように、持久運動→サーキットトレーニング(筋トレ)の順や、逆のサーキットトレーニング→筋トレの順を含む5群に割り振り、12週間指定された運動のみを行って貰い、12週後に4km走のタイムの伸びと最大酸素摂取量の測定を行って結果を評価しています。結果では、前者が8.6%のタイムの伸びであったのに対して後者では4.7%のタイムの伸びと、持久運動→サーキットトレーニング(筋トレ)の順の方が逆の順番に比べ有意(p<0.05)にタイムの伸びを記録しました。また同等の結果が最大酸素摂取量の測定でも得られました。
被験者数も少なく、盲検化も難しい内容の実験となってしまいますが、少なくとも上記の結果からは「持久力・最大酸素摂取量を増やす目的で行うのなら持久運動→サーキットトレーニング(筋トレ)の順であると言えるのでは無いでしょうか。目的に合わせた運動が大切なのですね。
異なる目的ではサーキットトレーニング→筋トレを推奨する論文もある為、今度はそちらをご紹介致します。
今日のまとめ「持久力・最大酸素摂取量を増やす目的で行うのなら持久運動→サーキットトレーニング(筋トレ)の順である
 

Evidence Based Exercise(EBE)へようこそ

Evidence Based Exercise(EBE)へようこそ

医療ではEvidence Based Medicine(EBM)が主流となり、最も効率的な医療が行われる様になってます。

実は運動に関するエビデンス(論文)もたくさん発表されていて、アメリカではAmerican College of Sports Medicine(ACSM)などがガイドラインを出していたりします。

運動に関するエビデンスをマスターする事でEvidence Based Exercise(EBE)を極め、健康で美しい体を目指しましょう。